はちみつ生産地のお話

年に2度、ハチミツを作っている村を訪問しています。
ハチミツを作っている村ってどんなところだろう?
村の人々の生活模様って?村の人々とミツバチの関係って?
そして、ハチミツを作りだす豊かな花と村人の関係って? 現地レポートをお楽しみください。

ネパールのマクワンプールにあるShilingeという地域。この地域は一年中温かいタライ平野にある場所です。道路のない、山の不便な地域に住むチェパン族の村。涼しいカトマンズから約5時間車で移動し、熱くなって真夏のような空気に包まれてきたらタライ平野の地域に到着。そこから3時間ほどこの川沿いの山道を進みます。道なき川沿いを歩き続け、多くの人が水の中を渡り、進んでいきます。

本当に水と自然の織り成す景色が素晴らしい。


伺ったのはMakwanpur県の丘陵地の村と、Chitwan県にある養蜂場!
そこからネパールの生活とミツバチとの新しい関係が見えてきました。



3時間ほど歩いて、お世話になるご自宅に到着です。田舎のお家らしい、落ち着いた場所にあり、にわとり、ぶた、やぎ、うしとたくさんの動物たちが自由に歩き回っています。
少し休んでハチミツの生産者と共に雑談を楽しみました。

 

村の巣を見よう!ローカルハチミツを生み出すミツバチたち。

さて、ミツバチはどんなふうに生活をしているのでしょう。お家の中をのぞかせてもらうと…

壁の中にしっかりといました!家の外側にほんの小さな穴があり、そこから出入りするミツバチ。家主は家の壁に専用の土壁を作り、採蜜や点検の際に切り開きます…!

今回は、この野生のミツバチが夏場別の蜜源を求めて別の地へ飛び立つ直前だったため、ギリギリのタイミングでした。


そして、ついに巣の中を拝見!
何とも綺麗な巣を作っていました。見るからに真っ白。ミツバチは自分たちの生活スペースを清潔に保つ生き物ですが、まさかここまで真っ白い巣を作っているなんて、驚きですね。
このミツバチはネパールの野生種、アピスセラナです。夏場はバングラデシュやインドまで旅立つとも言われています。出発前なのか、巣にはハチミツがほとんどありません。もしかすると、出発前の腹ごしらえを終え、残っていたハチミツはミツバチたちのお腹の中におさまっているのかも。

ローカルハチミツは、彼らの作ったものです。
この村では土着ミツバチを飼っていますが、印象深かったのは、「Ghar Mauri(家の蜂)=土着ミツバチ」は長年の付き合いだから家族みたいなもの。だからこれからも一緒にいたいという言葉でした。生産性よりも長年の家族を思う心がありました。


すごい!資源の木、母なる木、Chiuriの木。
実は、ローカルハチミツって、チウリはちみつなんです!
東洋ミツバチの作ったチウリハチミツをローカルハチミツと呼んでいます!

ハニールネッサンスで仕入れているチウリのハチミツ。このチウリとは実は素晴らしい生活資源の木です。


左の木は、そのチウリの木。大きな巨木で寿命が100年ほど。
人の何倍もある巨木で、葉も大きい。毎年1月になると、花蜜が滴るほど落ちる花をさかせ、 まるで桜のように村の景色を明るくさせ、人々の心を楽しませるのだといいます。
生活とも密着しており、葉はお皿として使われてきた伝統があり、木は薪などにも使われ、 実は食用、それから搾り取る油も食用や燃料、肥料として生活をくまなく支える立派な木です。

 


チウリの花は人々を喜ばせる花。

少し降るだけでも滴るほどの花蜜を出すこの花は、ミツバチにとってのオアシスのようなものです。バターツリーの木とされ、しかもネパールの原生だと言われています。チウリのハチミツからも分かるように、キャラメルのような濃厚な蜜はきっと、ミツバチにとってエネルギーいっぱいのオアシスなのでしょう。

みずみずしい葉っぱと花が、村を鮮やかに彩る光景を思い浮かべると、遠い異国の地にいても、お花見気分です。


チウリの花が散ると、6月ごろからチウリの実がなります。これはインドやインド付近のネパールではフルーツとしても販売され、ほんのりジューシーな甘い果実だそう。

フルーツとしても楽しめるこの実は、更にその種までもが大活躍します。



左上の写真がチウリの種。ナッツのような種は、一晩水につけてから湯で、冷ましてから絞ることで、右上のようなチウリ油が採れるのです。この油は、食用、燃料、それからボディークリームにと大活躍。クリームは滑らかで、手に塗るとしっとり。

続いて、油を絞った種の殻までもが資源となります。左の写真がその殻。現地でピナと呼ばれます。魚毒性のある、いわゆるサポニンが含まれるのではないかと考えられ、食べてはいけません。自然農薬として利用されています。この殻を田畑にまくことで、一年間作物を害虫から守り、村を豊作へと導くのだそう。

チウリはすばらしい資源の木なのです。

西洋ミツバチを見に行こう! 実は、ハニールネッサンスでお届けしているChiuriハチミツは、チウリの木から、西洋ミツバチが集めたハチミツを指しています。

仕入れているハチミツのうち、ルディロとチウリは西洋ミツバチが作っています。先ほどのチウリの木の下に、この巣箱を季節に移動させ、蜜を集めています。

さてここは普段西洋ミツバチの巣箱を置いている、チトワンの養蜂場です。チトワンはネパールの養蜂産業の本場。多くの養蜂家が集まり、またネパールで唯一の国立大学農学部もここにあり、ミツバチ研究者も少数活動中。

こんな熱帯の地域がネパールにはあり、ヒマラヤのイメージからかけ離れますね!しかしここが西洋ミツバチ養蜂の本場です。


辺りを見渡すと、ルディロの花がわずかに咲き残っていました。先ほどの養蜂場からの距離はわずか。ミツバチはここまで採蜜に来ているようです。

ルディロはバジル科のネパール原生の植物と言われますが、ネパールのあちらこちらに自生しています。薄紫色の小さな花弁が美しい野草です。

こちらの養蜂場では、西洋ミツバチを専門に扱って巣箱数百箱を管理しています。先ほどの村とは違い、手間暇のかかる西洋ミツバチを職業として専門的に買っています。



地方の調査から戻ってくると、カトマンズではネパール産業展示会が開かれていました。中をのぞくと様々な伝統産業の商品出店があるなか、ハチミツを並べる店舗も数多くありました。

お伺いしたのはランプ―ルキャンパスで教えながら自らもハチミツ店を営み、産学両面からの養蜂振興に取り組んでいる専門家。その方から、ネパールにおけるミツバチ病原菌の少ないことや、あるいは無農薬を完全に保証できるジャングルハニーの推進などについて、またネパールの養蜂業界における現在の課題と展望などを伺いました。

いかがでしたか?ネパールの村での養蜂、そして近代的な管理養蜂、その両方の面でネパールの養蜂は発展段階にあります。
多くの国で西洋ミツバチが導入され、土着ミツバチの存在が日陰になる中、ネパールでは意外にもその両方の種類が同じように 注目されています。ミツバチの宝庫であるネパールならではの在り方なのかもしれません。ハニールネッサンスでも、西洋・東洋両方の ミツバチが集めた安全で、また農村の人々との関わりも良好なお店から仕入れ、お届けしていきたいと思います!


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