はちみつの生産者、販売者としての思い〜ネパール〜

Himalayan Honey Suppliersのオーナーであるグルンさんは、最も強いポリシーとして、生産するはちみつが天然であることと、生産者の生活を守ることを第一に挙げます。その理由をまず伺いました。

はちみつ生産での一番のこだわりは何ですか?また、その理由は何ですか。

一番のこだわりは、本当の天然はちみつを作りつづけることと、
ミツバチ生産品の販売で生産者の生活を支えることです。

ハチミツにも色々とあり、天然だと言ってもそうでないものも沢山あります。私はそういうことをしたくない。いつでも本物のハチミツを販売したいと思っています。
また、私はキリスト教徒でもあり、以前からずっと社会貢献には関心がありました。ハチミツの生産を考え始めた時、始めは単に生産だけを考えていましたが、あるとき出会ったチェパンという民族の生活が大変厳しいことを知り、彼らの生活の支援にもなるようにと考え、彼らと共に養蜂を始めました。
今では以前とは違い彼らの収入も増え、自転車に乗るものや、学校へ行くものも出てきています。これからもそういった貢献が出来るように活動エリアを増やしていきたいと思っています。


特に自然環境と深いかかわりのあるミツバチ。そのミツバチが生産するハチミツとを生産するなかで、苦労されたことを伺いました。


これまでにお店を経営するにあたって苦労されたことは何ですか。

まず、天然ハチミツに対するネパール市場の理解がなかったことに苦労しました。天然ハチミツの価値がよく理解されておらず、それゆえに高い値段をつけることが出来ずに難しい時期を過ごしたことがありました。今でもまだ理解されているとは十分に言えません。

また、ネパールでは西洋ミツバチの導入が進みましたが、その中で東洋ミツバチが貴重だということについても深い理解が少なく、自分自身も東洋ミツバチの生産するハチミツを安値で販売してしまっていました。
最近ではその点を理解して、東洋ミツバチのハチミツは他のものより高い値段をつけています。同時に、東洋ミツバチの保護も行うようになりました。貴重な東洋ミツバチを守るため、保護するための地域を探していますが、依然として東洋ミツバチへの理解が少ないために、飼育してくれる地域を見つけることには難しい部分があります。


そこで、自然環境との関係で何か配慮されているのかどうかお伺いしてみました。

ミツバチと自然環境には深い関わりがありますが、養蜂をするにあたってなにか特別に考えていらっしゃることはありますか?特に養蜂支援では、植林の必要性を同時に伝えて、自然保護につなげようという努力がされていますが、そういったこともされているのでしょうか。

以前、ミツバチを飼育していたときに、ミツバチの敏感さを理解した瞬間がありました。実は携帯電話をもっていると、電波か電磁波の影響で、ミツバチが方向感覚を失って消えてしまったり、巣に帰れなくなったりしたのです。
それからは、養蜂場では携帯電話を使わないようにしています。

また、養蜂を続けていくうちに、自然と植林の必要性に気が付き、
生産者と一緒になって植林の必要性について考えていますし、伝えています。そういった意味で変化はあり、以前よりも森林保全への理解は深まりました。今でも続けて植林について真剣に考えて進めています。


天然ハチミツへのこだわりに加えて、社会貢献にも思いをもつグルンさんが、なぜネパールでハチミツの仕事を始めることになったのかを伺いました。


とても社会的な意識でお仕事をされていますが、この仕事を始めたきっかけは何だったのですか?

実は、私は以前韓国に留学をしていました。また家族や親戚で外国に住んでいる人もいて、望めば外国で生活をすることも出来ました。
しかし、韓国の留学から帰ってきて、私はネパールで仕事をしようと考えました。始めはコーヒーショップなど、色々な仕事を考えましたが、ある時友人にもらったハチミツの美味しさに衝撃を受け、「こんなに美味しいハチミツがあったなんて、仕事はこれでいこう!」という気持ちが湧いてきました。
次第にハチミツを生産することが私のライフワークだと感じるようになり、苦労も乗り越えてここまで続けてくることができました。


ネパールの貴重なハチミツには、どれくらい生産のキャパシティーがあるのでしょうか。ネパールにもいくつかのハチミツ専門店がありますが、その点について詳しく聞いてみました。

近年の生産量はどのような感じですか?

ローカルハチミツはおおよそ年間4t、チウリハチミツを25t、ルディロハチミツを3tほど採っています。その他にも、季節によってソバのハチミツや、からし菜のハチミツ、それから高山地帯のいわゆる酔うハチミツのワイルドハニーも採っています。

実はまだこれよりも多く生産することは出来るのですが、販売の伸びに合わせて生産しているので、今後の需要によっては今よりも多く生産したいと思っています。できれはもう少し販売を伸ばしたいと思っていますし、そうすることでより多くの人の生活を支えることもできるので、頑張りたいと思ってはいます。現在は顧客の90%ほどが韓国になっており、ネパールでの販売や、日本での販売も増えると嬉しいです。最近ではネパール人もちらほらとお店まで来てくれるようになり、嬉しく思っています。


最後に、最近挑戦されていることと、今後の課題などをお伺いしました。

最近のネパールでの販売はどうですか?

最近、Thamel地区にも一つお店を開店しました。しかし、そのお店がなかなかうまくいっていません。Thamel地区は観光地なので、観光客を意識していましたが、なかなかお客が入りません。実は、ハチミツがたくさん採れる年の前半は、ネパールは観光シーズンではなく、ちょうどハチミツの季節でないときに観光シーズンになってしまうんです。これは困りました。

またThamelでは、もともとハチミツ飲料を販売しようと頑張っていたのですが
カトマンズ全体と共通してThamelでも水が少なく、課題が残っています。
本当に難しいですね。



グルンさんの持つ、現地の生活者への思い、それから環境への思い。
私がこの仕事を始めて目指したいと思っていることに本当に合致していました。

日本で販売を始めた私に、ぜひ頑張っていこうと励ましてくれました。
しかし最後に、「ビジネスは大変だからとりあえず貴方の生活の方が心配だよ、ネパールでの生活の方が楽だしネパールで養蜂やってもいいんじゃない?笑」と一言。。。

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